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作文、読書感想文に使える!ちょっとした工夫でグッと良い文章になる5つのコツ

こんにちは、nocoto編集部の沖です。

夏休み真っ盛りの今、読書感想文や作文などの宿題に頭を悩ませている親御さんも少なくないでしょう。

nocotoを運営するコトのデザインでは、文章を作成する仕事を承っていることもあり、日々「良い文章とは何か」について研究をしています。そこで本稿では、ちょっとした工夫で、グッと良い文章になるテクニックをいくつか紹介します。お子さんだけでなく、文章に苦手意識を持っている大人の方もぜひチェックしてください。

良い文章とは何か

具体的な文章のテクニックを紹介する前に、「良い文章とは何か」を定義しておきましょう。

「良い文章」と呼ばれるものには、大きく2つの種類があります。一つが「内容が面白い文章」。そしてもう一つが、「読みやすい文章」です。内容が面白くかつ読みやすい文章がもっとも望ましいですが、どちらかだけでも満たしていれば「良い文章」と捉えられる可能性は大きくアップします。

内容の面白さは題材次第の部分があるため、今回は「読みやすい文章」にフォーカスして、具体的なテクニックを紹介します。

すぐに実践できる文章のコツ

では、実際にすぐに実践できる文章のテクニックをいくつか挙げていきましょう。今回は夏休みの作文、読書感想文向けにやさしい内容にしています。

1.ですます調、だである調は必ず統一する

日本語の文章には、「ですます調」「だである調」の2種類に大別されます。書き言葉では「だである調」が基本と言われていますが、ネット上の記事や小中学生の作文では「ですます調」が用いられるケースがほとんどです。

もし、ですます調で書く場合には、基本的に地の文(「 」で括られていない部分)では文末を「〜です。〜ます。〜した。」などで終わるように統一しましょう。「〜です。〜だ。」のように、ですます調とだである調が混在すると、統一感がなく読みにくい文章になります。ただし、括弧に括られたセリフなどの場合は例外的に、だである調が混ざっていてもおかしくありません。

例文)お父さんが「このビールは最高」と言ったのを聞いて、僕は「早く大人になってビールを飲んでみたい」と思いました

2.一文は60文字以内

文章は短く簡潔な方が読みやすい傾向にあります。その目安は、60文字以内と覚えておきましょう。それ以上長くなる場合には、一度句点(。)を打ちます。また、読点(、)は文章の読みやすさを司どる大切な要素の一つです。多すぎでもいけませんが、60文字程度の文に一つか二つは「、(読点)」を入れてあげましょう。一般的な原稿用紙は20字×20行=400文字です。原稿用紙なら「3行ほどで一文を終わらせ句点を打つ」と意識してみてください。

悪い例)今年の夏休みはコロナだったので家で過ごすことが多かったので家族でトランプをしたりゲームしたりして過ごしましたがお父さんは家で仕事をすることも多くなって邪魔をしないように気をつけながら遊びました。

良い例)今年の夏休みはコロナだったので家で過ごす時間が長かったです家族でカードゲームをしたりゲームしたりして過ごしましたお父さんは家で仕事をすることも増えたので邪魔にならないように気をつけています

3.文末は同じ表現が連続しないようにする

読みやすい文章にするためのコツ2つ目は、文末が連続しないようにすることです。ですます調の場合「〜です。〜ます。〜ました」など、文ごとに文末の処理を変えていきます。

悪い例)私は、太宰治の『走れメロス』という本を読みました。友情の大切さに感動しました

良い例)私は、太宰治の『走れメロス』という本を読みました。この本から学んだことは「友情の大切さ」です

その際、体言止めを効果的に用いると文章にリズムが生まれ、さらに読みやすい文章になります。ただし、小学生・中学生の作文の場合、少し大人っぽすぎる言い回しになるため、多用するのは避けましょう。

例)私は、太宰治の『走れメロス』という本を読みました。この本から学んだことは、「友情の大切さ」(体言止め)。自分を犠牲にして友達のために頑張る姿が印象深かったです

4.のでので文に注意

文章が上手な人は極力「ので」を使わないように心がけています。子供の作文の場合は「ので」を用いても違和感はありませんが、一文の中に「ので」が二回以上登場するのは避けるましょう。

「ので」は「ため」に置き換えられ、その前に「原因」が、後に「結果」がきます。一文の中に「〜ので、〜ので」と続くと原因と結果の論理関係がわかりにくくなり、読み手に誤解を与えかねません。

「一文にのでは一回まで」と決めて、のでが連続する「のでので文」になっている場合は、一度文章に句点を打ち、新たな一文で説明してみてください。

悪い例)今年の夏休みは暑い日が多かったのでプールにたくさん行ったので日焼けをしました。

良い例)今年の夏休みは暑い日が多かったので、たくさんプールに行きました。日焼けをしたのもいい思い出です。

5.主語の繰り返しは避ける

作文においては、そもそも書いているのは一人(自分)ですから、わざわざ一人称(僕、私など)をすべての文章に入れる必要はありません。むしろ同じ主語が続く文章の方が稚拙な印象を与えてしまいます。

悪い例)僕は太宰治の『走れメロス』という本を読みました。僕は改めて友情の大切さに気付きました。

良い例)僕は太宰治の『走れメロス』という本を読み、改めて友情の大切さに気付きました。

一人称だけでなく、二文続けて同じ主語になるのを避けるように意識してみください。例えば、本のあらすじを紹介する場面では、以下のようにならないよう注意しましょう。

悪い例)『走れメロス』は太宰治が書いた本です。『走れメロス』は友情をテーマにした作品です。

良い例)太宰治が書いた『走れメロス』は、友情をテーマにした作品です。

その子らしさを活かしながら文章のテクニックを組み合わせる

今回は、意外と知られていない文章のコツ5つを解説してきました。大人でも、なかなか意識したことのないものも多かったのではないでしょうか。

もし、お子さんの作文や読書感想文が「読みにくいな」と感じたら、今回紹介したポイントをチェックしてみてください。これらを意識するだけで、グッと読みやすい文章になるはずです。

ただし、お子さんの個性や意見は大切にしてあげましょう。今回は大人目線で読みやすい文章を紹介してきましたが、必ずしもこのように直す必要はありません。お子さんが「このままがいい!」「変えてほしくない」というのであれば、それを尊重してあげることも大切です。「内容はすごくいいから、その良さがもっと伝わるように一緒に考えてみよう」と声をかけるのもいいかもしれません。

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